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本草歳時記 15 屠蘇散

 

暮れも押し迫り毎年のことではあるがあわただしい。私の薬局では正月の縁起物として屠蘇散を作って皆さんにお配りしている。果たして効果のほどは定かではないが、新しい年を迎えるにあたって心身の厄を払うといわれると?んでおきたいというのが人情である。

 

中身は[桂皮(ケイヒ)]、[山椒(サンショウ)]、[桔梗(キキョウ)]、[防風(ボウフウ)]、[白朮(ビャクジュツ)]の五種類の薬味からなる。これは時代や地域よって違いがあり、自在に加減しても良いようである。

 

[桂皮]はシナモンであり、体表の邪(風)を払い胃を温め血流を促進する。[山椒]は内臓を強く温め殺虫の効果を持つ。[桔梗]は肺の働きを高めて喉や皮膚の炎症を除く。[防風]はその名の通り風(ふう)を防ぐのであるが、漢方でいう風(ふう)とは、体内に侵入すると風邪(かぜ)は勿論のこと、身体のシビレや麻痺、ひいては脳卒中や心筋梗塞などの病を引き起こす邪気のことである。[白朮]は消化器の働きを活発にして水の代謝を促進し湿気や痰を取り除く。ということで身体にはかなり良さそうな薬味で構成されている。

 

畑で野菜を作っているのであるが、その横で花壇を借りて密かに薬草を植えている。将来的にはそこで栽培した薬草を屠蘇散に使おうと目論んでいる。桔梗は今のところ順調に生育しており薬となる根っこも大きくなっていると思われる。山椒は香り高いとされる朝倉山椒の苗木を二本今年の春に植えた。徐々に成長していると思いきやアゲハ蝶の幼虫に全ての葉っぱを食われ丸裸になっていた。アゲハ蝶の仲間は柑橘類の葉っぱが大好物なのだ。山椒は意外と知られていないが実はミカン科である。その黄緑色の愛くるしい姿の幼虫を見ると殺すのも忍びなく「どうぞお食べ」と言う事になった。毎年この有様だと当分は山椒の実を採れそうにないが、逞しく育ってアゲハを寄せ付けない立派な木に成長することを願うしかない。

 

今年もコロナに翻弄された一年だった。自然堺は恒常性を保つために突出したものを排除し調和をたもつように働く。実はその突出したものは人類であり排除する働きはコロナウイルスなのかもしれない。人間の果てしない欲望が自然を破壊し、そのしっぺ返しがいま起こっている。新たな年を迎えるに当たって屠蘇散を飲んで心身の厄を落とすとともに染みついた欲望も洗い落せたらどんなに良いことか?

 

アゲハの幼虫、来年もおいで! と言いたいところだが・・・。

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