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本草歳時記 11 ラッキョウ

梅雨に入り私の畑が忙しい。10坪ほどを区民農園で借りているが、今の時期は夏の果菜類、キュウリ、トマト、ナス、シシトウ、オクラが採れている。中でも8株あるキュウリは一日平均12,3本と絶好調で味も形もスパーのものに負けない。もちろん、無農薬有機栽培である。

 

 この時期スパーの野菜売り場で目つく野菜の一つにラッキョウがある。甘酢漬けも美味いが、塩ラッキョウもいける。

 

ラッキョウは漢方では薤白(がいはく)と呼ばれ、植物学的には玉ねぎ、ニンニク、長ネギと同じアリウム属に入る。玉ねぎを食べると血液がサラサラになるとよく言われるが、心肺機能を高め、血流を盛んにする効果によるものである。

 

ラッキョウには更に強い胸中への働きがあるようだ。心臓は血液を全身に供給するエンジンであり、身体の中で最も熱い場所である。肺は心臓に酸素を送り込むと同時に、エンジンである心臓がオーバーヒートしないように熱を逃すラジエーターの働きがある。疲労やバランスの崩れによって心臓と肺の働きが衰えると、血流が鈍り心臓に酸素と栄養を供給する冠動脈に血栓が生じ、致命的な病である狭心症や心筋梗塞の原因となる。

 

これが漢方で「胸痹(きょうひ)」と呼ばれる状態である。ラッキョウには胸中を温めて心肺の働きを活発にし、血流を促進する作用がある。それゆえ、「胸痹」を治療する代表的な処方にはラッキョウが含まれる。

 

季節で考えると夏は心臓と肺が最も盛んに働く時期だ。汗は「心の液」とされ、心臓は身体を冷やすために全身に血液を送り出すと同時に汗を出させる。さらに腎臓と協力して尿からも熱を逃がす。肺も心臓と一緒に頑張る。体に熱が籠ると脈拍が増えるのは熱を逃がすための心臓の作用ともいえる。疲労や加齢で心肺の力が落ちて汗もかけず、尿も出ないとなると身体に熱が籠り熱中症の原因になる。

 

畑をやっていると野菜の旬を感じずにはいられない。東京の玉ねぎの収穫は5、6月。ラッキョウも同じ頃だ。ラッキョウや玉ねぎがこの季節に採れるのには意味があるのかもしれない。心臓と肺が盛んに働き疲れやすい時期なのだ。旬の食べ物を身体に摂り入れるのは古くから受け継がれてきた大切な養生法である。やはり自然のリズムに沿った生活が一番の健康法なのだろう。

 

玉ねぎニンニクそして夏の野菜をいっぱい入れて好物のカレーを食べるとするか。もちろん、薬味にはラッキョウを添えて。身体を潤し冷やすキュウリもお供に。 Against COVID-19

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