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游々生薬街  安国(中国) 2024

8月のお盆休みに中国の安国を訪れた。北京の南西約200㎞にある中国最大の生薬集積地と言われる地である。

 

安国公園

 

北京西駅から高鉄(新幹線)で保定東駅、そこから路線バスと中距離バスを乗り継いで目的地に入った。中国で「千年薬都」と呼ばれるだけあって街のいたるところに〇〇薬行、〇〇薬房の看板を掲げる店舗を目にする。店のガラスに五味子、菊花、黄耆、丹参あるいは虫類などの名前が貼りだされた幾種類かの生薬を専門に扱っている店や、〇〇直営と書かれた産地直営らしき店も目立った。

 

バスを降りてやっと予約したホテルに着いたものの、そこは外国人の宿泊が不可能とのこと。予約サイトには全ての国の客が宿泊可能とありホテルも予約を受け付けていただけにフロントが丁寧に対応してくれて何とか別のホテルにチェックイン。筆談とスマホ翻訳で苦戦しつつやっと念願の安国にたどり着くことができた。

 

ひと休みして夕刻前に近くを散策。すると突然小さな路地に生薬を詰めた麻袋を並べた一間ほどの店が両側にひしめく生薬市場を発見。大きな通りを挟み200mほどの4つの路地が市場を形成していてとても全部を見ることができないので、目に留まった生薬のある店を覗かせてもらった。生薬について品質や値段を言っているのであろうが残念ながら中国語なのでわからず、頷いて「謝謝!」。中には全虫(サソリ)土元(中国ゴキブリ)水蛭(ヒル)、ムカデ、ハチの巣、カマキリの卵など動物生薬を扱う店もあり、いくつかの鉱物を揃える店もあった。日本でもよく用いる生薬は勿論のこと、見たことも聞いたこともない生薬がたくさんあり、この世界は奥が深い。

 

安国 路地の店

安国 生薬

翌日、朝食前の散歩がてら同じ路地に行ってみた。昨日の店は閉まっていたが路地の終わりのやや広めの通りが、今度は軽トラに生薬を乗せた人たちの朝市となっていた。50台以上はあるだろう8時までの営業とのこと。免疫を高める沙苑子が目に留まった。値段は日本で買う4分の1だった。

 

安国 車の店

 

安国 車の店

午前中にネットで調べた安国中薬専業市場を訪れることにした。昨日の市場を超える市場を想像して胸が膨らんだ。ところがたどり着いてびっくり。立派な建物、広い会場の中に置かれた生薬は昨日の一店舗ほどの量しかなかった。どうやら催しものがある際の展示場で普段は市場の用はなしていない様だ。タクシーで昨日の市場へ行こうと思ったが配車アプリが使えず、流しのタクシーも来ないので諦め、炎天下を1時間半歩いて北京行き中距離バスに間に合わせた。

初めての安国。事前の情報もないほんの1日の滞在では様子が分る筈がない。昨日のような市場が幾つかあるやも知れない。やはり中国の中に入っていくのには相当のエネルギーが必要である。

 

北京に戻った翌日、夕刻のフライト前に前門にある北京で有名な同仁堂薬店の本店を訪れた。何人もの漢方医を揃えた医院を併設した立派な建物だ。調剤室に行ってみるも残念ながら中は見られない。患者は処方箋を持って先ずは料金を払い、次に支払いのレシートと処方箋を薬剤師に渡して漢方薬ができるまで待つという実にシンプルな流れである。単品(生薬)も用意してくれるようで、処方箋なしでも購入は可能であり自分流の処方薬も作ってもらえるようだ。日本とは異なり、長い伝統の中で生薬が生活に根差しているのが窺える瞬間であった。

 

さあ日本へ帰るとするか。

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