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本草歳時記2 桑 2002.4

 

今年は例年に比べ温かい春である。それもそのはずで、運気(うんき)を調べてみると壬(みずのえ)の午(うま)の年である。午は天の気を表し六気(風・君火(くんか)・湿・相火(そうか)・燥・寒)の君火にあたる。つまり午は陽の最も強い性を含み、これが天の気を支配するのであるから、気温は上がる訳である。
春先になると薬草を採取する者にとって気になるのが、古来より旧暦の三月三日の温かな日に採るとされる桑の根(桑根白皮(そうこんはくひ))のことである。今年は四月の十五日がその日にあたる。明治から昭和の初期にかけては養蚕が盛んで桑畑がいたる所にあったが、今では探すのにも一苦労である。スコップと磁石そして弁当を携えてマウンテンバイクにまたがり河川敷の取って置きの場所へ出かける。磁石を持ってゆくのには訳がある。桑の繁殖力は強くその根は縦横無尽に伸びているが、その中でも南東の方角に伸びるもの、つまり最も成長の勢いの強いものだけを採る。これを乾かし黒焼き(炭の製法)にして他の薬草と調合することで切り傷、打撲、骨折などに良く効く王不留行散(おうふるぎょうさん)という薬になる。
一作業終えて春の日差しを浴びながら土手に寝転ぶと若草のいきれの中を風がそよぎ、上空ではひばりがのどかにさえずる。私にとって最も春を感じるのがこの桑採りの時期でもある。

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